Newtonの展開公式

Taylorの展開公式に対して、Newtonの展開公式 が知られている。ここで、、、、、、とする。下降階乗の差分と冪乗関数の微分は類似している。、Taylorの展開公式が、収束半径内という制限付きで成り立つのと同様に、Newtonの展開公式にも制約がある。例えばと…

関 Bernoulli 多項式 と Faulhaber の公式

*差分・和分 において、とした極限を微分係数とよび、と表すことにする。また、としたものを差分(階差)とよび、と表す。を和分とよぶ。微分・積分と差分・和分には類似の関係が成り立っている。 *下降階乗 を下降階乗とよぶ。下降階乗はが自然数でないと…

格子点問題

「Dirichletの約数問題」ともよばれる。1838年に証明された。 での約数の個数を表し、とおく。 座標軸をとり、双曲線を考える。はひとまず変数では なく定数とみなしていることを注意しておく。 によって囲まれる領域内の格子点を数えるとに一致する。なぜな…

ユークリッドアルゴリズム

この計算方法をユークリッドのアルゴリズムとよびます。まとめると、 となりますので、すなわちとなります。 最後のを消去すると、となりますが、これらはより を満たすのでの整数解を与えています。 上の計算の意味するところは連分数の理論によって説明す…

ニュートンの恒等式

今回は以下のサイトを参考にしています。 https://proofwiki.org/wiki/Newton%27s_Identities/Proof_1 proofwiki.org とおく。 次多項式を定義する。 このときを基本対称式とよぶ。ただしと定める。 を乗の和とする。 ニュートンの恒等式とは、「基本対称式…

フィボナッチ数列とチェビシェフ多項式

yu200489144.hatenablog.com 今回は上記のブログを参考にさせてもらっています。 第1種チェビシェフ多項式 第2種チェビシェフ多項式 チェビシェフ多項式は三角関数の倍角の公式を表示できる。 【命題】 1 2 以下の性質も簡単に分かる。 ○ はについての次…

Cayley–Hamilton theorem

行列の随伴行列とは、余因子行列の転置行列のことである。 余因子行列の成分は、行列の小行列式によって定義され、である。小行列式は、行列の行と列を削除することによって得られる行列の行列式である。 随伴行列について、detが成り立つ。 detとおく。これ…

ぺル方程式の問題

[問題] を素数の平方を因数にもたない正の整数とする。このとき を満たす正の整数 を求めよ。 この問題はぺル方程式の問題とよばれている。実際にはぺルは無関係で、 研究したのは主にオイラーである。ぺル方程式の一般解は、「最小解」を求めることで全て求…

平方根の連分数

を満たす正の整数 を求めよう。 とおく。 より、 となるので、 とおくと、 となる。 とおくと、 の解は、 と表せる。解と係数の関係より、、 より、となるので、 を得る。この式を についての2次方程式とみると、判別式 は平方数 となる。 はぺル方程式なの…

整数解の問題

を満たす正の整数 を求めよう。 をについての2次方程式とみる。判別式は平方数となる必要がある。 ピタゴラスの三つ組は一般に、で表すことができる。したがって、 として、解の公式より、となる。 は正の整数なので、である。より、となるので、と表せる。 …

平方数に関する問題1

[問題1] を満たす正の整数を求めよ。 簡単に見つかる解は、とである。従ってこれ以外の解を見つけることが目標である。 問題1の解が見つかったとする。 を既約分数でと表すと、より、正の整数で、を満たす数が存在する。 このとき、より、となるが、ディオ…

はてなブログでTeX

整数論が高校の教育課程に導入されて数年経ちます。以前から、ユークリッド互除法などを高校で教えるのも面白いかなと感じておりました。また、難関大学の入試問題には昔からよく出題されており、数学オリンピックでも必ず数問取り上げられています。整数の…