関 Bernoulli 多項式 と Faulhaber の公式
*差分・和分
において、とした極限を微分係数とよび、と表すことにする。
また、としたものを差分(階差)とよび、と表す。
を和分とよぶ。
微分・積分と差分・和分には類似の関係が成り立っている。
*下降階乗
を下降階乗とよぶ。
下降階乗はが自然数でないときにも定義できる。
下降階乗の差分は、冪乗の微分と類似の式が成り立つ。
二項係数を使うと、と表せるが、この式は であり、パスカルの恒等式を意味している。
*関 Bernoulli 多項式と関 Bernoulli 数
整数について、が関 Bernoulli 多項式であるとは、
およびが成り立つこととする。
この2つの条件があれば計算できるのである。と表すことにすると、
より、は定数関数である。
より、と表せる。
より、である。
より、である。
より、となるので、を得る。
より、である。
より、となるので、である。以下同様の計算が続く。
を、それぞれ第1種関 Bernoulli数、第2種関 Bernoulli数とよぶ。
と表すと、が成り立つ。
が3以上の奇数であるとき、第1種関 Bernoulli数となるので、第1種と第2種が本当に異なる値となるのは、との場合のみとなる。
Taylorの展開公式により、 ここで、
これを適用すると、
よって、を得る。
*冪乗数列の和の公式(Faulhaber の公式)
ここで、より、
Taylorの展開公式により、である。
そこで、と形式的に表現する。これは、による。
さすれば、が成り立つ。ただし、によって微分作用素を定義する。
一方、は成り立つだろうか?
そのためには、微分作用素の意味をはっきりさせなければならない。
Taylorの展開公式の離散版として、以下のNewtonの展開公式が知られている。
どちらも無条件で成り立つ訳ではなく、Taylorの展開公式は、関数の無限回の微分可能性と収束半径の存在を仮定するとき、収束半径内において成り立つ。
Newtonの展開公式も、限られた関数(例えば整関数)において成立する。このとき、とおくと、
両辺をすれば、はに収束するので、が成り立つ。
ここで、より、形式的に と表すことにすると、が成り立ち、に対応していることが分かる。したがってをによって定義すれば、が成立することが諒解できるであろう。