平方数に関する問題1
[問題1] を満たす正の整数を求めよ。
簡単に見つかる解は、とである。従ってこれ以外の解を見つけることが目標である。
問題1の解が見つかったとする。
を既約分数でと表すと、より、正の整数で、を満たす数が存在する。
このとき、より、となるが、ディオファントスの恒等式により、は合成数であり、分解されたそれぞれの数もまた平方数の和で表すことができる。従って問題1の解はの約数を調べることで見つけることができる。
[解の探索方法]
- を循環小数で表す。(と仮定する。)
- 循環節の長さがの場合について考える。
- より、はの素因数である。
- とが整数であれば、とが解である。
(例) について、
を計算すると、0.0588235294117647・・・という循環小数が得られる。
となり、である。
により、が解として得られる。また、により、も解の条件を満たす。ちなみに、は素数である。
[定理] [問題1]の解となるが素数となるのは、が桁と仮定すると、とのみである。
(証明)
が素数となるのであれば、は互いに素である。より、となる整数が存在する。このとき、となる。より、はの約数となる。 がの約数となるので、はの倍数にならず、が桁であることから、である。よって、 となるので、・・・(1)が成り立つ。
のとき、より、この場合は素数が得られる。
また、のとき、より、・・・(2)が成り立つ。
(1)(2)より、が成り立つので、 となる。となるので、を得る。従ってである。
は、の約数となるので、は偶数であり、はの倍数ではない。このような条件を満たすは、である。
とする。である。(mod ) と仮定すると、(mod )より、はの倍数となる。従ってはの倍数となり、(mod )となるので、矛盾する。
とする。である。(mod )と仮定すると、(mod )より、はの倍数となる。従って、はの倍数なので、とおく。(mod )が成り立つのは、が奇数の場合である。が素数となるのはの場合のみである。